スポンサードリンク

複合用途型(店舗と住戸が混在)マンションの修繕工事又は管理費の負担割合を決めるにあたっての意見が対立し工事の実施が出来なくなることがあります。一つの参考例として(これが正しいと言うものではありません)

以下、住宅新報社(澤田博一著)解決マンション大規模修繕より抜粋しておきます。
複合用途型マンションの設備は概して複雑に絡み合っており、給排水や電気のシステムを住居部分とそれ以外の部分に境界分けすることが難しく、だからと言って一律に床面積の比で費用負担割合を定めるのも問題を残します。したがって、大規模修繕工事の話が持ち上がる前に費用負担のルールを済ませておくことが大事です。

物件概要・・物件名はヒルサイドテラスN、1階2階はB興産が区分所有する貸事務所で、3階から12階までは分譲住宅で計60戸、敷地の権利は借地権で、地主はB興産。地下にはB興産所有の駐車場があります。
貸し事務所の入口は幹線道路に面する南側、住宅の入口は西側にあり、ホール、屋内階段も別々となっています。
地下駐車場を除いて相互の行き来は出来ない構造となっています。
管理事務所は住宅の入口ホールに面して配置され、集会室もあります。
管理事務所には建物全体をカバーする警報機、分電盤等全てが設置されています。

1、建築工事費用負担
①壁面塗装・・外壁面については、住戸部分と事務所部分の床面積比に近い7対3とする。
内壁は床や天井を模様替えを含め、住戸と事務所を区分し、各々を一部共用部分とする。

②鉄部塗装・・各部の塗装箇所を、住戸部分及び事務所部分の一部共用部分と、全体の共用部分に区分す          る。

③管理室・集会室の内装・・全体共用部分と捉え、床面積比で住戸:事務所=7:3とする。

④防水・・塔屋・屋上・ルーフバルコニーは全体共用部分とし外壁に準じる。
開口部周り、打ち継ぎ目地のシーリングは外壁に準じ、床面積割合で住戸:事務所=7:3とす       る。
住戸バルコニー・共用廊下は住戸の一部共用部分。
2、設備工事
①給排水設備・・竪管は全体共用部分と考えるが、費用負担は床面積比ではなく使用量比に近い住戸:事務   所=8:2とした。

②ガス設備・・埋設管の親メーター以降が別個に配管されており、各々一部共用部分とした。

③電気設備・・受変電設備・ポンプ制御盤等は全体共用部分とし、負担割合を使用料比に近い住戸:事務所   =6:4とする。

④自火報設備・・全体共用部分とし住戸:事務所=7:3とする。

⑤その他・・エレベーターは住戸部分、空調換気設備(住戸のエアコンを除く)は事務所部分の一部共用部   分とする。
避雷針設備は全体共用部分とする。

三、外構
①植栽全体共用部分扱いとするが住戸:事務所=5:5とする。

スポンサードリンク