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調 停 申 立 書

 

平成24年4月27日

東京簡易裁判所 御中

 

申立人ら代理人弁護士

 

当事者 別紙当事者目録記載のとおり

 

不当利得返還請求調停申立事件

調停事項の価額 1558万5129円

貼用印紙額  3万2200円

 

申 立 の 趣 旨

相手方は,申立人KTに対し,金98万5270円,申立人株式会社Hに対し,金402万7502円,申立人株式会社Aに対し,金71万4406円,申立人YTに対し,金12万6976円,申立人YNに対し,金188万4247円,申立人株式会社TBに対し,金173万1772円,申立人MMに対し,金176万8852円,申立人医療法人社団Sに対し,金25万0485円,申立人NSに対し,金58万1064円,申立人有限会社Sに対し,金62万8837円,申立人Y・YMに対し,金169万4722円,申立人MYに対し,金10万4316円,申立人株式会社Sに対し,金108万6680円の金員及び,各金員に対する平成24年5月1日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え

との調停を求める。

紛 争 の 要 点

1  当事者

申立人らはいずれも,「SDマンション」(以下「本件マンション」という。)の区分所有者であり,相手方の組合員である。

相手方は,本件マンションの管理組合法人である。

本件マンションの専有部分は,19戸の店舗と1施設(大田区立児童館。以下「1施設」という。)の合計144戸で構成されている。申立人らが所有する専有部分はいずれも,店舗である。

2  店舗と住戸の管理費等の格差

相手方は,平成18年5月14日,総会を開催し,各区分所有者の負担すべき修繕積立金を,平成18年8月分以降,従前の負担額の一律12.5倍に増額する旨決議した(以下「本件決議」という。)。その結果,申立人らの各負担すべき管理費及び修繕積立金は,別紙管理費等目録記載のとおりとなった。

3  格差の無効原因

(1)  相手方の管理規約(以下単に「管理規約」という。)は,平成18年5月14日発効の旧規約25条2項及び10条,並びに,その前の旧々規約35条2項及び57条において,各区分所有者の負担すべき管理費及び修繕積立金の額について,各区分所有者の共用部分に対する共有持分割合,(総専有床面積に対する各専有部分の床面積の割合)による旨を定めている。そして,建物の区分所有等に関する法律(以下「建物区分所有法」という。)19条,14条も,同旨を規定している。

以上の管理規約及び建物区分所有法の定めによれば,申立人ら店舗所有者の負担すべき管理費及び修繕積立金も,住戸所有者のそれも,同じ平米単価とされるべきものである。

(2)  ところが,申立人らが本件マンションにおける各店舗の所有権を取得したときから,相手方の徴収する管理費及び修繕積立金は,店舗の平米単価あたり住戸の平米単価の2.45倍となっていた。

もっとも,申立人らが本件マンションにおける各店舗の所有権を取得した当時,重要事項説明書には2.45倍の格差について記載は一切なかったし,相手方から説明を受けることもなかった。

(3)    前記2のとおり,相手方は,平成18年5月14日の総会において,各区分所有者の負担すべき修繕積立金を,平成18年8月分以降,従前の負担額の一律12.5倍に増額する旨決議した(「本件決議」)が,相手方は,本件決議に係る議案(第3号議案)において,かかる格差の存在していることを全く説明しなかった。その結果,申立人らは,かかる格差の存在を認識することなく,管理費及び修繕積立金の平米単価は住戸も店舗も当然同等である旨,前提事実を誤認し,その結果,上記議案に積極的に異議を述べることはしなかった。

このため,従前存した平米単価当たり2.45倍の格差は,修繕積立金について金額ベースで12.5倍に増幅され,店舗所有者の負担として重くのしかかるところとなった。

(4)  しかしながら,管理費及び修繕積立金について,店舗の平米単価を住戸のそれの2.45倍とする差別的取扱いをすることに合理性はない。

本件マンションにおける店舗所有者が,住戸所有者より2.45倍の負担力があるとか,本件マンションの共用部分を使用する程度が2.45倍も大きいとは到底いえないのである。

(5)  1施設の負担する管理費及び修繕積立金は,その平米単価が,長い間,住戸の平米単価の2分の1に軽減されていたが,この事実は,管理規約上窺い知ることができず,相手方もこれを申立人らに開示してこなかったため,申立人らにおいて知ることはできなかった。その後,相手方は平成18年5月14日の総会以降、1施設に対して0.5倍の負担軽減措置(当時分譲会社と大田区との間にその旨の契約書が存在していた)を解消し、住戸と同等の平米単価に変更したが、店舗に至っては2.45倍の格差是正をせずに現在に至っている。 (6)  分譲当初は,店舗専用クーリングタワー及び店舗専用共同トイレが設けられていたが,その後,経費節減のためクーリングタワーは廃止され,トイレは管理組合専用の倉庫に転用されている。

4  結論

以上のとおり,店舗所有者の管理費及び修繕積立金の負担を住戸所有者のそれより平米単価で2.45倍とする定めは,建物区分所有法19条,14条,30条3項,管理規約27条2項,10条,民法90条(公の秩序)に違反し,無効であり,住戸所有者と同額の負担で足りるというべきである。

よって,申立人らは,相手方に対し,少なくとも10年分について,住戸所有者が負担する管理費及び修繕積立金との差額を,不当利得返還請求権に基づき(これまでに生じた損害金を含めて),申立の趣旨のとおり支払うよう求める次第である。

なお,申立人毎の過払い金の詳細は別紙債権目録記載のとおりである。

証 拠 方 法

甲1 管理規約

甲2 重要事項説明書

甲3 第23期定期総会議案書

甲4 第23回定期総会議事録

 

添 付 書 類

甲号証写し              各1通

資格証明                 通

訴訟委任状                通
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