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現在、進行している裁判です。

事件名 平成25年(ワ)第39号不当利得返還請求事件
原告  店舗組合員14名
被告  SDマンション管理組合法人

判決

 

平成28年5月30日判決が下されました。

判決概略を以下に記載します。詳しい内容については→管理費格差事件判決をご覧ください。

被告(管理組合法人)は、原告(店舗区分所有者14名)に対し、別紙1「認容額計算書」の「認容額」欄記載の各金員(18,397,185円)及びこれに対する原告らの各支払い済みの金額に対して年5分の割合による金員を支払え。(中略)訴訟費用は原告らに生じた費用の10分の1及び被告に生じた費用の10分の1を原告らの負担とし、(中略)その余の費用を被告の負担とする。この判決は、仮に執行することができる。

 東京地裁は、原告の請求金額19,235,637円に対しほぼ満額の認容額18,397,185円が不当利得であると判断し、管理組合法人の管理費等の不当徴収を認め、原告(店舗組合員14名)に返還するよう判決いたしました。

平成23年の規約変更前の管理費等については店舗と住戸の管理費に格差を設ける理由は無いと判断し、平成23年規約変更後においても2.0倍以上の格差は民法90条の公序良俗に反し違法であるとの判断を致しました。

口頭弁論の中で裁判長は、「店舗と住戸の管理費等の支払い割合については、裁判所が判断できるものではない」ことを再三再四メッセージとして伝えていました。今回の裁判所の判断は2.0倍を超える格差を違法と判断したものであり、決して2.0倍を容認したものではありません。

2.0倍以内であれば店舗と住戸の管理費の負担割合をどうするのか、等倍にするのかどうかは、マンション自治で決定されるべきものであると判断したのです。

経過
平成25年1月4日   原告ら提訴
平成25年3月8日   原告ら訴えの追加的変更申し立て
平成25年5月31日  被告答弁書
平成25年5月31日  被告準備書面(1)
平成25年8月1日   原告準備書面(1)
平成25年9月30日  被告準備書面(2)
平成25年11月14日 原告準備書面(2)
平成26年2月12日  被告準備書面(3)
平成25年12月9日  原告準備書面(3)
平成26年5月30日  被告準備書面(4)
平成26年4月4日   原告準備書面(4)
平成26年4月17日  裁判官3人体制
平成26年6月11日  原告準備書面(5)
平成26年6月27日  原告準備書面(6)
平成26年6月27日  原告上申書
平成26年9月1日   原告準備書面(7)
平成26年10月20日 被告準備書面(5)
平成26年11月26日 原告準備書面(8)
平成26年12月3日  原告陳述書
平成26年12月4日  被告準備書面(6)
平成26年12月 日  被告意見書
平成27年2月4日   原告住戸・店舗負担割合に関する検討書
平成27年4月1日   原告マンション管理士の意見書(甲81号証)
平成27年4月1日   原告準備書面(9)
平成27年5月25日  被告準備書面(7)
平成27年5月25日  原告住戸・店舗の負担割合に関する検討書(2)

平成28年1月     結審

平成28年5月30日  判決

分譲時から潜在していた店舗と住戸部分の管理費格差が、修繕積立金の値上げをきっかけとして、その格差2.45倍が顕在化し、店舗組合員がその是正を求めて提訴したものです。

→裁判全記録へ

尚、この裁判は、民法の定める「公序良俗に反するか」、区分所有法の「第30条3項衡平性に反するか」を裁判官がどう判断するかが大きな争点の一つです。その概要は
→公序良俗・衡平性へ

また、判例としては平成14年の区分所有法第30条3項が追加された以降の判例が無く、今回の裁判はこの新たな30条3項により、どう判断が下されるのか注目されます。

→参考判例へ
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