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2003年10月10日最高裁差し戻し判決
建築構造計算上安全性がクリアしていても、特に契約で求められていた基準を満たしていない鉄骨を使用した場合は、瑕疵があるものと判断されました。

概要
施主・・X
建設会社・・Y
建設地・・神戸市灘区

Xは1995年11月、Yと賃貸向けマンションの請負契約を締結しました。
Xは、1995年の阪神・淡路震災後であったため、当初設計を変更して、より耐震性を高め、安全性に注視し、より太い鉄骨(断面寸法300mmX300mm)を使用するようYに求め、Yもそれを承諾しました。
ところが、YはXの承諾を得ず、構造上安全であることを理由に鉄骨の柱を250mmX250mmで1996年3月完成、Xに引き渡しました。
Xは完成したマンションの支柱には瑕疵がある。と主張し、瑕疵の補修に代わる賠償請求権と請負代金の相殺を請求しました。

大阪高裁の判決
大阪高裁は、鉄骨柱断面寸法(250mmX250mm)を使用したことは契約違反にあたるも、使用された材料は構造計算上安全性に問題は無いので、かかる工事に瑕疵があるとは言えない。と判決しました。

最高裁の判決
XとYの請け負契約では、特に耐震性を高め、より安全性の高いマンションとするために柱部材を断面寸法(300mmX300mm)の使用を約定したものであるから、これは契約の重要な要素となっている。
これに反した部材の使用は工事に瑕疵がある。
最高裁は、原判決を破棄し、瑕疵の補修に代わる損害賠償請求額について、さらに審理を尽くさせるために、大阪高裁に差し戻した。

 

 

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