SDマンション管理組合法人

理事長  SK殿

 

下記事項についての不適切な部分及び不明朗な部分について、集会の場において討議及び調査報告を要求致します。

 

Ⅰ SDマンション管理規約の効力について

 

平成23年11月6日、SDマンションの規約改定を目的とした総会招集通知において配布された案内には、国土交通省マンション標準管理規約が改正されたことを受けて、当マンションの管理規約も国土交通省マンション標準管理規約に倣い、その趣旨に基づいて改正する旨表記されていました。

 

この総会招集案内は、それを見た組合員が、当然に国土交通省マンション標準管理規約に準じて規約改正が行われているものと勘違いしても不思議ではないものとなっていました。国土交通省が定めた管理規約であるならば安心と思いこみ規約改正に賛成票を投じた組合員、委任状を提出した組合員がほとんどであることは疑いの余地がありません。国土交通省マンション標準管理規約に倣うと謳っておきながら実際は国土交通省マンション標準管理規約に背反する項目が含まれていることは組合員を錯誤に至らしめ、総会の決議に及んだものと推察されます。

 

区分所有法第35条に定められている総会の招集においては、規約の改正等一定の重要事項を決議するには、議案の要領をも通知すべきこととされています。その趣旨は、区分所有者の権利に重要な影響を及ぼす事項を決議する場合には、区分所有者が予め十分な検討をしたうえで総会に臨むことが出来るようにするほか、総会に出席しない組合員も書面によって議決権が行使できるよう計らうことにあると解釈されています(判例)。各組合員において事前に賛否の検討が可能となるような議案の要領とすべきところ、入口から勘違いをさせてしまうものとなっています。中身の細部まで確認する人は稀で、日常の生活においても表紙を信頼して買い物したり、契約したりすることが日常普通に行われています。ましてや管理組合の行っていることに関して最初から疑いの目で見る区分所有者は皆無に等しく、この善良なる区分所有者に対して“中身を見れば解るだろう”との反論は通用いたしません。以下に標準管理規約に背反している項目を挙げます。

 

背反①

マンション標準管理規約においては、

第35条第2項に理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する。と定められています。

 

さんろーどダイヤモンドマンション管理規約においては、

第37条2項 理事及び監事は、本マンションに現に居住する組合員、その組合員と同居する配偶者及び一親等の親族のうちから総会で選任する。

 

平成23年にマンション標準管理規約の一部が改定された際に新聞等の報道に“配偶者及び一親等の親族”も管理組合の役員になれる。と誤解されるような記載があり、これは大きな間違いで新聞等の誤報といえます。

マンション標準管理規約コメントには53条関係として

「理事に事故があり、理事会に出席出来ない場合は、その配偶者又は一親等の親族に限り、代理出席を認める旨を規約に定めることもできる。」とあります。つまり、理事に事故があって、急きょ理事会に出席できず、理事会が定員割れで開催できなくなることを回避するために“代理出席”を認めることを規約に定めることが出来るとしたものです。

つまり、標準管理規約は、はなから親族を管理者に選任出来るとは一切謳っておりません。

 

背反②

マンション標準管理規約においては、

平成23年の改定により、役員の居住要件が撤廃されました。時勢にそぐわず賃貸化率の増加、組合員の加齢化による役員のなり手不足の実態を踏まえ「居住要件」が撤廃されました。

 

SDマンション管理規約においては、

居住要件が温存されてしまいました。

当マンションは、Gタイプ16戸(23.92㎡)、Hタイプ6戸(23.49㎡)、Lタイプ8戸(18.97㎡)、Qタイプ(28.05㎡)の専有面積が狭小の戸数が32戸になっており、他の居住用マンションと比較して賃貸化率が高くなっています。そしてさらに2階児童館、2階店舗合わせて20戸、合計52戸の区分所有者が居住要件がネックとなり役員資格がありません。構造的に賃貸化率が高いマンションで尚且つ一階店舗の役員資格もはく奪されていることは時勢の流れに逆行することになっています。賃貸目的で購入している組合員、及び店舗部分の組合員を排除する結果になっており、標準管理規約に背反しています。

 

 

背反③

マンション標準管理規約においては、

第38条  管理組合は、マンション管理士(適正化法第2条第五号の「マンション管理士」をいう。)その他マンション管理に関する各分野の専門的知識を有する者に対し、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、相談したり、助言、指導その他の援助を求めたりすることができる。

 

さんろーどダイヤモンドマンション管理規約においては、

第36条 管理組合は、マンション管理に関する各分野の専門的知識を有する者に対し、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、相談したり、助言、指導その他の援助を求めたりすることができる。

 

マンション管理士はマンション管理適正化法に定めれたマンション管理専門の国家資格であり、国の鳴り物入りで設けられた資格です。マンション管理に関する各分野の専門的知識を有する者として、マンション管理士を加えるべきで、これを削除した明確な理由の説明責任があります。

 

背反④

マンション標準管理規約においては、

第65条 管理組合が消滅する場合、その残余財産については、第10条に定める各区分所有者の共用部分の共有持ち分に応じて各区分所有者に帰属するものとする。

 

SDマンション管理規約においては、

第49条3項三号により解散する場合には、区分所有者は、残余財産について分割請求をすることができない。

 

組合の解散理由の一つに集会の決議による場合があり、マンションを建て替えする場合が考えられます。区分所有法においては解散決議までは組合が出来ますが、解散決議後の建て替え事業は建て替え組合(建て替えに賛成した組合員のみ参加)が「マンション建て替え円滑化法」により新たに成立いたします。

マンションの建て替えは全員の合意で行われるのが理想ですが、建て替えに参加できない区分所有者が出てしまうことは当然考えられ、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の賛成多数で可決出来ることになり、反対者も存在することも当然に想定しなければなりません。その中で残余財産の処理についてどうするのか、深刻な問題が発生することが予想されます。建て替え賛成派は規約に分割請求出来ないとなっているので返す必要はないと主張するでしょうし、建て替え反対派は残余財産の分割請求は当然の権利であると主張することとなり、争いが起きてしまうことが至極当然に想定されます。

将来に禍根を生ずるこの規約条項は十分なる具体的事例を含めた説明が必要です。

 

①~④の事項を含め規約全体について、集会の場で討議することを要求致します。

 

 

 

Ⅱ SDマンション管理規約の条項不備(区分所有法違反)について

 

区分所有法第48条の2

管理組合法人は、設立の時及び毎年1月から3月までの間に財産目録を作成し、常にこれをその主たる事務所に備え置かなければならない。ただし、特に事業年度を設けるものは、設立の時及び毎事業年度の終了の時に財産目録を作成しなければならない。

 

この区分所有法規定は強硬規定であり規約による変更は認められません。SDマンション管理規約においてはこの条項が定める財産目録作成義務が欠落しており区分所有法に反することとなっています。

 

尚、財産目録の作成を怠ったり、虚偽の財産目録を作成した場合は

区分所有法第71条6

第48条の二第一項の規定に違反して、財産目録を作成せず、又は財産目録に不正の記載若しくは記録をした場合は、その行為をした管理者、理事は20万円以下の過料に処する。となっており、個人に対して処罰の対象となります。

 

 

 

 

Ⅲ さんろーどダイヤモンドマンション管理規約及び区分所有法の不当解釈及びその行使について

 

さんろーどダイヤモンドマンション管理規約第  条

専有部分である設備の内共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことが出来る。

 

この条文により一部の区分所有者の改装工事に伴う設備配管工事費の一部を、管理費にて支払うことが公然と行われています。

 

管理費を専有部分の改装費に使用することは、民法において共有物の処分にあたり共有者全員の合意が必要となります(民法第251条)

又、区分所有法においても管理費を専有部分の費用に充てることは想定されておらず、条文は存在しません。但し区分所有法第17条第2項の類推によれば、共有財産である管理費を私的目的利用で支払わされる(損失する)区分所有者の全員の承諾が必要となります。

 

マンション標準管理規約コメント第21条関係では

配管の清掃等に要する費用については、「共用設備の保守維持費」として管理費を充当することが可能であるが、配管の取り換え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである。としています。

 

管理費に専有部分の支払いが行われた分については、管理組合に返却されるべきものであり、損失が発生した場合は、その責任も追及されます。

 

 

 

 

 

Ⅳ 管理者(理事長)の違反について

 

違反①

区分所有法第71条四 (事務報告義務違反又は虚偽報告違反)

電気料金徴収に関しては不明朗な部分があり、さんろーどダイヤモンドマンション総会において、報告の義務がありますが、過去において一切の説明、報告がありません。この説明義務違反においては、管理者(理事)個人に対して20万円以下の過料に処されます。

 

違反②

区分所有法第71条五(登記義務の懈怠)

法人化された管理組合は代表理事の変更、住所の変更などの変更日より二週間以内の登記手続きが義務化されていますが、この手続きを怠っています。これに反した場合は管理者(理事)個人に対して20万円以下の過料に処されます。

 

違反③

区分所有法第71条六(財産目録作成義務違反又は不正記載若しくは記録違反)

上記Ⅱで示した通りこれに反した場合は管理者(理事)個人に対して20万円以下の過料に処されます。

 

違反④

民法第644条違反

受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。

区分所有法第28条には、「管理者の権利義務は、委任に関する規定に従う。」ことになり管理費の不当使用及び①~③に該当することは民法第644条に定める善管注意義務違反となります。

 

善管注意義務違反として、管理組合に損害が生じた場合には、管理者の債務不履行(民法第415条)となり損害賠償請求の対象となります。

 

違反⑤

民法646条違反

受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他のものを委任者に引き渡さなければならない。その収取した果実についても、同様とする。

当マンションにおいて過去00年00ヶ月間1階店舗電気料金徴収において差額が発生しています。この差額の処理が不明となっており民法第644条(受任者による受取物の引き渡し等)に違反しています。

 

違反⑥

民法第703条

電気料金の徴収する者と、支払うものとの契約、差額の金額をどうするか等の取り決め(契約)がない場合は、(民法第703条不当利得の返還義務)法律上の原因無く他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損害を及ぼしたものはその利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。とあり、この不当利得に該当します。

 

 

違反⑦

区分所有法第25条違反

区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理者を選任し、又は解任することができる。

 

平成24年総会開催前に理事の候補にOS、STの両名が立候補致しました。その際、理事会において候補者の推薦選定が行われ、理事会の推薦から外され立候補出来ませんでした。さんろーどダイヤモンドマンション管理規約においても理事会が管理者の推選及び選定の権限を記す条文はありません。

 

区分所有法25条において定められているように、規約に別段の定めが無い時は、管理者は集会の決議によって選任されなければならず、管理者に立候補したOS、STの両名を、理事にするかどうかは集会の決議によらなければならないため、理事会において理事候補から外した理事会の行為は、この法律に違反した行為となり無効となります。

 

 

違反⑧

SDマンション管理規約66条違反

理事長は、会計帳簿、組合員名簿及びその他の帳票類を作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があった時は、これらを閲覧させなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所を指定することができる。

 

平成26年1月  日 電気料金の徴収金額と東電への支払い金額を明確にすべく、1階店舗部分の使用電気量記録台帳の閲覧申請を理事長宛てに請求したところ、個人情報に抵触するとの理由で拒否されました。

管理組合運営上の「個人情報」に該当するものとしては、組合員名簿、入居者名簿、管理費・修繕積立金納入状況(延滞含む)、駐車場契約、防犯カメラ映像、届出書・申請書等が考えられます。が、電気料金記録台帳閲覧が個人情報に抵触することは考えられません。ましてや個人情報保護法の主たる目的は5000人以上の個人データを取り扱う「個人情報取り扱い事業者」つまり、日本ハウジングなどの管理会社等に関する義務規定です。

 

区分所有者が自分の使用している本当の電気料金使用量、支払い金額について知る権利は、誰も奪い侵害することは許されません。この電気量記録台帳の閲覧を拒否することは規約に違反致します。

 

 

 

Ⅴ 監事の職務懈怠及び越権行為について

区分所有法第50条第3項

監事の職務は、次のとおりとする。

一管理組合法人の財産の状況を監査すること。

二理事の業務の執行の状況を監査すること。

三財産の状況又は業務の執行について、法令若しくは規約に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、集会に報告すること。

 

上記Ⅰ~Ⅳに記載した状況は、監事の職務において調査解明し、集会において報告する義務があります。

管理組合の事務執行が不適切な状況が続けば、この管理組合はますます混乱を極めることとなり、混乱を極めれば管理組合の共有財産である管理費及び修繕積立金を食い潰し、その金額は膨大なものとなってしまいます。

 

区分所有法第50条第2項

監事は、理事又は管理組合法人の使用人とかねてはならない。

 

監事は組合の財産の状況の監査、理事の業務の執行の監査を、中立の立場でなければなりません。もし、監事が理事又会計理事、その他使用人と兼用されることになれば、管理組合法人は根底から崩れさることになります。これについては説明の余地もありません。

当マンションにおいて、各役員の業務がその職責に応じてきちんと執行されているのか、はなはだ疑問です。

 

区分所有法においては監事個人に対しての罰則規定はありません。これは監事がマンション管理組合の良心の最後の砦であり、この監事に対して疑うことを前提にした法律は、最高の自治規範である規約を定める法の精神に反することとなり、善良なる監事に絶大なる信頼を置いているものと推察されます。

しかし、この期待に添うべく監事としての職責を全うされない場合は、残念ながら職務懈怠と判断しその責任を追求せざるをえません。

 

 

 

平成26年2月  日

株式会社HC

代表取締役 OM

(マンション管理士登録申請中)