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1、どうすれば勝てるか?

裁判で勝つための心構えは・・・・
まず、最初に捨てなければならないのは

「私は正しいから訴える」
「私は正しいから勝つ」

という考えです。この考えは敗訴の原因となる最大のものです。さらに、

「裁判官は真実を見抜いてくれるであろう」

この考えも間違いで、裁判官と神様を取り違えてはなりません。勝訴判決は「与えられるものではなく」「自分の努力で奪い取るものである」

自分が正しくても勝訴は「与えられない」のです。(民事訴訟法 染野義信)一部抜粋

 

 

マンションの一組合員が、マンション管理組合及び理事長を相手取り、裁判を起こした場合、果たして、現実どの程度の勝率なのでしょうか。

マンションの一組合員が管理組合いを相手取って争っても相当に厳しい状況が待っているといえます。

その理由① 区分所有法、マンションの管理規約は、すべからく管理組合が区分所有者又はマンション賃借人を訴える法律となっていることです。例えば、区分所有法第20条(管理所有者の権限)、区分所有法第26条(権限)には、管理者は規約又は集会の決議により原告又は被告になることが出来る(訴訟追行権)が付与されており、また、区分所有法第57条、同58条、同59条、同60条においては区分所有者及び占有者が共同に利益に反する場合、規約により共用部分の管理所有者と定められた管理者は、及び管理者はその共用部分の使用において共同の利益に反する組合員に対して訴えることが出来ることになっています。一方、一組合員は、区分所有法第25条(選任及び解任)では、管理者が不正な行為その他職務を行うに適しない事情がある場合には、各区分所有者はその解任を裁判所に請求できる。とありますが、実際には横領等の事件などの明確なケースでないと裁判所はたやすく受け付けてくれません。
また、損害を被った一組合員が、管理組合理事長にその損害賠償を求めた裁判がありましたが、その裁判では、訴えた一組合員は裁判における当事者適格の要件を備えていないとして棄却されました。つまり、門前払いされ、裁判にもならなかったわけです。
このように、管理組合は、組合員が管理費を延滞したとか、規約上禁止されているペットを飼ったことに対し、その他共同の利益に反する行為を禁止又は損害賠償請求を求めたりの裁判を起こす権利は確立していますが、反対に一組合員にはその途はありません。

理由②裁判となれば軍資金が必要となります。一組合員が裁判を起こす場合、さしあたり弁護士費用、その他裁判所に支払う裁判費用、そのいずれもが個人で負担しなければなりません。一方管理組合は、訴訟追行権が付与され、当然の権利として、裁判費用、弁護士費用、その他経費(交通費、打ち合わせに要した費用、例えば喫茶店でのコーヒー代、居酒屋で一杯飲みながらの会合等)が管理組合費からどんどん支払えます。訴えてる組合員の管理費の一部を消費してです。

理由③裁判となれば長期にわたります。一審の判決が出るのに2年から3年はざらにあり、案件により最高裁にまでいくようだと7,8年は費やします。誰も好き好んで争うことは好まず、その好まない状況の争いごとを続けることは、精神的にすり減らし、特に年配者にとっては良き余生を送るためのマンションが、喧嘩するマンションとなることは到底望ましいことではないとだれしもが思うのです。途中で戦意喪失してしまいます。

理由④裁判ともなれば管理組合側には、管理会社の窓口担当者、管理業務主任、マンション管理士、一級建築士、行政書士等の有資格者がフォローし、社外要員として、マンション係争関係に強い弁護士が管理組合支援態勢が敷かれます。一方一組合員を支援する人は誰でしょうか。一元の相談者に対して、弁護士、マンション管理士は親身に相談を受けるでしょうか。(もし、あなたが一組合員だとすれば弁護士、マンション管理士に相談をしようとするでしょう。あなたは、管理組合運営のあり方の不当や、思いのたけ、あなたの正当性を弁護士、マンション管理士に話すでしょう。あなたは、自分は正しいから必ずや支援なり、協力が得られると思うでしょう。)相談を受けた弁護士(無料相談としましょう)は一通りの説明を聞いた後に淡々と次のように答えるでしょう。・裁判は勝つか負けるかわかりません。・裁判費用は00ぐらいかかります。・着手金は00かかります。あなたの手を握り、共に不当な管理組合と戦いましょうなどという弁護士は残念ながら皆無なのです。マンション管理士に至っては、裁判となれば代理人としては立てませんので補助的な役目を負うしかないのです。

理由⑤裁判となれば、証拠がものをいいます。その証拠、書類は管理組合が握っていることが多く、その膨大な資料から自分に都合のよい、有利なものを多くの証拠として提出します。一組合員は、その多くの管理組合が提出した証拠に反論しなければなりません。反論しなければそれを認めたことになります。一組合員は、一般的には、管理組合の提出する証拠に反論を加える資料なり証拠は持ち合わせていない、若しくは集める力を持ち合わせてはいないのです。

以上のように、マンション管理組合を相手取り、マンション一組合員が裁判を起こすということは、例えて言うなら、竹やりで大砲に向かうのに等しいのです。

2、準備中

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